ネタバレ含みますのでご注意ください。
「JR SKISKI」のキャンペーンポスターを見て、思わず見とれてしまった。
映画に出演した原田知世と三上博史が描かれたイラストを使用して、キャッチコピーも「私を新幹線でスキーに連れてって」と秀逸。
これは、若年層をターゲットというよりも、かつてスキーを楽しんだ世代に向けたものかと感じた。
懐かしさの余り、見たい衝動に駆られ、Blu-rayを購入し久しぶりに鑑賞。
シンプルで肩の凝らないストーリー。
スキーを何度も滑りに行った人には堪らないはず。
晴れたゲレンデで、リフトから周りを見渡し、澄んだ空気の中をすべり降りるときの気持ちよさを満喫できる。
作り手も出演者本当に楽しんで作ったんだろうなあと伝わってくる。
当時の若者はみんなのめり込んだ、バブル絶頂期の名作。
そんな『私をスキーに連れてって』のあらすじと感想をご紹介します。
目次
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『私をスキーに連れてって』あらすじ
安宅物産株式会社に勤める矢野文男(三上博史)はどこか冴えないタイプ。
しかし、スキーの腕前はプロ級。
友人たちと志賀高原へ。
女性に縁のない矢野が、ひょんなことからゲレンデでOLの池上優(原田知世)と知り合う。
後日、優が同じ安宅物産の同僚であることを知る。
優の誤解がもとで一度は振られる矢野だったが、誤解も溶け、二人は付き合うようになる。
年が明け、矢野は会社が手掛けるスキーブランド『サロット』発表会の準備に追われる。
優と会うのもままならず、擦れ違いが続くが矢野。
優から2月14日志賀高原へ誘われる。
その日は万座で『サロット』発表会の手伝いを田山(田中邦衛)からお願いされるが、優たちとの志賀行きを選ぶ。
発表会の会場から、手違いにより『サロット』のウェアが届かないという連絡を優が受ける。
矢野とは連絡が取れないことから、優は一人で冬の間は封鎖されている志賀・万座間をスキーで行くことを決意。
それを知った矢野は、優の後を追う。
辺りが暗くなり、方向を間違え途方に暮れる矢野と優。
そこに仲間の小杉(沖田浩之)と泉(布施博)がライトを背負って現れ、会場へ。
『サロット』のウェアを着てモデルとなり、発表会を成功させた。
『私をスキーに連れてって』感想①:原田知世
全盛期の原田知世。
白のスキーウェアを着た彼女は女神に見えた。
もうほんとに可愛い。
彼女に「バーン!」と撃たれたらキュン死確実!!
今でも当時の面影が変らず容姿を保たれていることに大女優の威厳を感じた。
出典:https://www.cinematoday.jp/news/N0096778
『私をスキーに連れてって』感想②:時代背景
日本が一番元気で、調子に乗ってた頃の映画
この作品がなかったら、まず、スキーブームはなかったかもしれない。
インドアの私でさえ、ハマってやったぐらいなので、当時スキーをやらない人を探すのが皆無だった。
三上博史がタイヤをスタットレスに履き替え、ガレージから車を出し、原田知世が夜行バスでそれぞれ関越に乗るファーストシーンはこれからスキーに行くというワクワク感が雰囲気を出している。
真似してゲレンデでよく「トレイン走行」とかやったなぁ。
自分の当時の触れられたくない部分を検証したみたいで恥ずかしー(笑)
あの頃はペンションに泊まって、みんなでトランプや恋話したりするのがホント楽しかった。
サプライズで花火大会やったりね、懐かしい。
スキー場に行く車中の中では、ユーミン・メドレーをカセット・テープでガンガン流した。
当時はもちろん携帯なんてない時代。
ゲレンデの食堂では、分煙されておらず、みんな煙草スパスパ。
今見たらありえないけど、当時は普通だったんだよね。
スキーには情熱を駆り立てるものが、ありました。
スキーブームが去って久しいけど、もう一度あの頃の夢や希望を思い出させてくれる、私にとって『私をスキーに連れてって』は宝物の作品です。
『私をスキーに連れてって』感想③:ストーリー
ストーリーはベタで王道。
まぁ、たわいのない恋愛ものなんだけど、これがまたいいのよ。
確かに今見ると三上博史も原田知世もやけに野暮ったい。
二人のやりとりは、今にして思えば非常に健全かな。
そこが、時代の雰囲気を反映していて心地いい。
共演者も決して豪華キャストではないところが新鮮。
万座スキー場と志賀高原スキー場の立地条件がこの作品のキーワード。
矢野が優に会いに行く志賀高原のシーンもグッド。
クライマックスである万座の開催会場へ行くのに、スキー初心者の優が危険区域を山越えするという場面は本来なら考えられないことだけど、ドラマを盛り上げる意味で大変必要だし、結末は想像ついちゃうけど、スリル溢れる展開は目が離せない。
出典:https://mainichi.jp/articles/20171206/k00/00m/040/024000c
『私をスキーに連れてって』感想④:ユーミン
この映画のもう一つの主役はユーミンの曲。
絶妙なタイミングで流れる「恋人がサンタクロース」や「ブリザード」は華やいだスキー場での恋物語に花を添えています。
その中で個人的に絶妙と思えるシーンが、矢野が万座から車で、優のいる志賀に会いに行くところ。
矢野が電話番号を間違えたと切りだして、優が答えようとしたその瞬間年越しの花火。
そこで、「今年もよろしくお願いします」。
ここで流れるユーミンの「A HAPPY NEW YEAR」は最高。
まとめ
最初この映画を見たのは、原田知世目当てだったけど、映画のノリのよさに満喫したと同時に、スキーの魅力にハマった。
実際、観客たちの受けようは凄まじかった。
私も多くの映画を劇場で見てきたけど、エンドロールが始まって、拍手が巻き起こった経験は後にも先にもこの『私をスキーに連れてって』のみ。
明るく爽やかな作風は、時代の波に乗って、フジテレビはトレンディ・ドラマで一時代を築き、90年代まで続く繁栄も、この映画がきっかけになったのだと思う。