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高倉健の代表作『幸福の黄色いハンカチ』の感想

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ネタバレ含みますのでご注意ください。

全盛期の山田監督の美的センスが表れている傑作。

本作は、とにかく健さんあっての映画。

どの作品においても同じような印象を受けてしまうけど、やはりその男らしさや独特の言いまわし、 ふとした何気ない動作にも見とれてしまいます。

お互いの人生を短い描写で描き3人が巡り会う部分を丁寧に描かいている。

派手なアクションもない地味な映画なのにグイグイ引き込まれていく見事な手法。

特に刑務所から出所した後のラーメン屋で健さんがビールを飲むだけのシーンなのに見る人を引き付ける演技力はさすがですね。

武田鉄矢が活き活きと体当たりで熱演し、今でいうツンデレ系を醸し出している桃井かおり。

また、一途に待ち続ける昭和的な雰囲気の倍賞千恵子がうまい!

友情出演の渥美清も出番は少ないながらもオーラを放出し、もう、傑作以外のなにものでもないです。

そんな『幸せの黄色いハンカチ』のあらすじと感想をご紹介します。

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あらすじ

彼女に振られたショックから花田欽也(武田鉄矢)は、勤め先の工場を辞めてしまう。

会社を辞めた退職金で車を購入し、気持ちをリフレッシュする目的で、一人フェリーにのって北海道に旅行する。

その一方で、網走刑務所より島勇作(高倉健)が出所する。

網走でナンパトをしていた欽也は、東京で職場の同僚に彼氏を取られた傷を癒すために旅行に来ていた朱美(桃井かおり)と意気投合し一緒にドライブすることになる。

二人が立ち寄った海岸で勇作と出合い、写真を撮影してもらう。

それがきっかけで、二人は勇作を車に乗せ、旅を続けることとなる。

その夜、阿寒湖温泉に宿泊することになり、欽也と朱美は同じ部屋になる。

欽也がキスだけと朱美に強要して迫るが、朱美は泣き出してしまう。

二人のやり取りを聞いて、隣の部屋から勇作が現れ欽也を叱りつけます。

色々とぶつかり合いながらも三人は旅を続ける。

車の中で、勇作は過去に住んでいた夕張に向かっていることを打ち明ける。

帯広の駐車場において、欽也が迷惑な停め方をしている車に対して蹴飛ばしてしまったことから、やくざ風の男(たこ八郎)に絡まれるが勇作によって助けられます。

そのまま勇作が運転していると、強盗事件で検問をしている警官から職務質問されます。

勇作は運転免許を所持していないことがバレてしまい、警官に殺人の罪で刑務所から出所したばかりだと答える。

勇作は最寄りの警察に連行され、取り調べを受けることになってしまう。

そこに、ちょうど勇作の事件を担当した渡辺係長(渥美清)が勤務していた。

勇作は、渡辺の温情により注意だけで済むことができた。

勇作は刑務所から出所したことを二人に知られてしまったことから、一人で汽車に乗って行こうとするが、欽也と朱美の勧めもあり、再び車での旅を続けることにする。

勇作は少しずつ自分の過去を二人に語り始める。

スーパーのレジ係として働いていた光枝と知り合い、その後、結婚して幸せな生活を送っていた。

やがて、体の異変から妊娠に気づき、光枝は病院で検査をしてもらうことを勇作に告げます。

妊娠していた場合、合図として物干しに竿に黄色いハンカチをつるしておくと勇作と約束します。

勇作が仕事から帰ってくると、物干し竿に黄色いハンカチがつるしてあるのを見つける。

勇作は父親が戦死したことから、家族に恵まれていなかったのでとても喜んだ。

光枝の体調を気遣い、あまり無理をするなと注意をした矢先、力仕事をしたことにより流産してしまう。

今回の出来事により、光枝が過去にも病院で流産していたことを勇作は知ります。

勇作は光枝に対して、なぜ過去に流産をしたことを言わなかったのか責め立てます。

光枝もあえて聞かれなかったからと言い返すと勇作は黙って外に出て行ってしまいます。

繁華街に繰り出した勇作は、たまたま肩が当たったことからチンピラと喧嘩となり、相手を殺してしまいます。

その後、逮捕され刑務所に収容されます。

面会に訪れた光枝に対して、優作は離婚を切り出します。

お前はまだ若いからやりなおせると言うと、光枝は勝手な人だと言って泣いてしまう。
しばらくして、離婚届が勇作のもとに届く。

過去のいきさつを話した勇作は不甲斐ない自分の性格を嘆きます。

全てを知った欽也と朱美は涙を流します。

勇作は出所してすぐに光枝宛のはがきを出したとことを伝える。

手紙の内容は、今でも一人で、俺を待っていているなら、目印としてこいのぼりの竿に黄色いハンカチを吊るしてほしい、もし何もなければ、黙ってその場から立ち去ると記載したことを話す。

それを聞いた欽也と朱美は一緒に夕張に行くことを決める。

夕張に近づくにつれ、勇作は動揺する。

光枝が一人でいるはずがない、違う人と一緒になっているはずだと弱気になってしまう。

やっぱり、引き返そうと勇作が言います。

でも、朱美の説得によって、再度家に向かいます。

勇作は外を見ることが出来ず、目を閉じたまま鉄也に家の道順を説明します。

黄色いハンカチを自分で確かめる勇気がないと勇作は二人に告げます。

先に欽也と朱美が車から降りて、家を探すために周辺を見渡します。

家を探していると欽也が叫びます。

なんと欽也の指す方向に10枚の黄色いハンカチが風に揺れている光景を目にします。

二人は黄色いハンカチがあることを勇作に伝え、車から出して家に向かわせる。

光枝と勇作の目が合い、二人は家の中に入っていく。

山田監督の凄さを思い知らされた

本作は健さんの印象が強い映画だけど、当時はまだ俳優としての経験がほとんどなかった武田鉄矢を起用した山田洋次監督の先見の明は凄いです。

武田鉄矢は、この頃、海援隊で活動をしていた時期。

この映画出演の話は願ってもないチャンスだったはず。

本作に出演していなければ間違いなく『金八先生』も無かった。

そう考えれば、俳優としての原点ともいえる作品ですね。

蟹を食べて腹を下し、トイレに駆け込むシーンは完全に健さんの存在を食っている。

それだけ武田鉄矢の存在が、際立っているともいえる。

武田鉄矢の相手役・桃井かおりは、不思議とここでは魅力的に見えます。

特異なキャラクターが暖かさを生んで、清涼感にもなっている。

渥美清や倍賞千恵子は山田作品には欠かせない存在。

黄色いハンカチという洒落たモチーフも、北海道の風景にうまく溶け込んでいて効果的。

特にロングショットの場面は、芸術的な雰囲気を醸し出し、どれをとっても名ショットです。

そして、何といってもエンディングにつきます。

目に焼き付ける鮮やかで心に染みる結末のために、この映画はある、と言っても過言ではない。

そこに至るまでの伏線が見事です。

健さんが自分の過去を語り続けながら、何気なくタンポポをいじるシーンがあります。

黄色いハンカチと黄色いタンポポ。

それはまさに、健さんの気持ちを表現しているわけで、芸が細かいですね。

不器用な恋愛の表現が見事

理性をもって、自分を大事にしてくれる人と恋愛ができればと誰もが思うもの。

しかし、現実は、そんな上手くはいかない。

自己中心的な男。

でも、素直に愛してくれていることは伝わってくる。

だけど、やることなすこと、言っていることと行動が裏腹。

そんな行動に振り回されている。

第三者の立場から見ても、貧乏くじを引いてしまったかのよう。

そんな女の気持ちが、不憫で、でも羨ましくもあります。

「この女と一緒にならなければ…」そんな出会いにあやかりたい。

二度目の恋愛。

バツイチならではの迷い。

そのような女性から放つ雰囲気が、宝石のように美しい。

そんな女性の思いも露知れず、ブレまくっている男。

その尻込みしている姿がまた愛おしい。

こんなにも無様なのに、なぜかとっても格好いい。

喜怒哀楽、個々の表情が実にいい。

そんな二人と対照的に、チャラいと思いたくなるような若い二人。

だけど、この二人も不器用。

イタイすぎるのだけど、何となく可愛らしくなる女を演じた桃井かおりがいいですね。

不器用だけどそれでいてカッコいい男が高倉健。

不器用な生き方を認めた本作の、負う所は大きく偉大です。

まとめ

本作は罪を犯して刑務所に収容され出所した健さんが、今でも自分の事を別れた妻が待っていてくれるのか?と心配し続けながら、再会を果たす話。

ただ待ち続けてくれていたことからこそ、このストーリーは成り立っている。

じっと耐え忍ぶ女性の倍賞千恵子がよく似合う。

いかにも健気で昭和的な女性ですね。

相手を思い続ける愛おしさが伝わってくる。

じっと我慢して素直に表現することが不器用な男としての描かれる健さんは日本の男のカリスマですね。

人の心は、例えどんなことがあろうとも、変わることがないことが本作のテーマとしているが、人の心が変ることをテーマとした場合、愛によって、変えるチカラが果たしてあるのだろうか?

状況が変化してもそれを乗り越える愛、その愛の質は 大きく異なるような気もするが、ただ待ち続けるほうが珍しいことなのかと感じてしまいますね。

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