ネタバレ含みますのでご注意ください。
これまで知らなかった世界に足を踏み込んでしまったみたいな衝撃を受けました。
キューブリック監督の鬼才で満ち溢れる演出に頭が下がります。
トム・クルーズとニコール・キッドマンが夫婦である設定も実際に夫婦である2人が演じる映像は見てはいけないものを見ているようでとてもエロチックです。
個々のシーンが絵画的な舞台に相当する非現実のような世界観が魅力的。
本作は、なによりナレーションやセリフに依存せず、映像と音楽で話が繰り広げていくから説明みたいになっていないところがとりわけ好きです。
ラスト、家族でクリスマスプレゼントをデパート買い来ているシーンで、ニコール・キッドマンのセリフで終わるのは、本質を突いていてさすがだと思いました。
キューブリック監督とトム・クルーズの素晴らしさが見事に活かされた作品です。
そんな『アイズ・ワイド・シャット』のあらすじと感想をご紹介します。
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あらすじ
ニューヨークで開業医をしているビル・ハーフォード(トム・クルーズ)は、妻アリス(ニコール・キッドマン)と娘と共に幸せな暮らしをしてきたが、二人の間には倦怠期が訪れていた。
ある日の夜、ビルはアリスと同伴で、知人が主催のパーティに出席する。
アリスがトイレに行き、離れるとビルは別行動をする。
そこで、かつて同じ医学部で中退したニック・ナイチンゲール(トッド・フィールド)と再会する。
彼は現在、ピアニストとして生計を立てている。
一方で、一人となったアリスは紳士風の男が近づいてきてダンスに誘い口説かれる。
片やビルは主催者のヴィクター・ジーグラー(シドニー・ポラック) に呼び出される。
そこでは、ドラッグの過剰吸引によって、マンディという女が意識不明の状態で倒れていた。
ビルの救護処置により、事なきを得るが、この一件に関してはくれぐれも他言しないように口止めされる。
男に口説かれたアリスは揺れ動く感じの反応をにじませつつも、夫がいるのを理由に誘いを拒んでその場を立ち去る。
パーティから帰宅後、2人は、ちょっとしたことがきっかけとなり口論になります。
診察にくる若くてキレイな女性においても興味を抱いたことは一度もないと断言するビルに対し、アリスはビルと出会ってから他の男性に心が揺れ動いた経験があったことをほのめかす。
アリスの告白にビックリするビルに突如電話がかかってくる。
それは、彼の患者が死亡した報せでした。
家を出て、患者の遺族に訪れたビルは、その帰宅途中に、アリスが他の男に抱かれる姿を妄想してもだえる。
信号待ちしているビルに、娼婦が近づいてきて彼は、誘われるがままに彼女の部屋に入っていく。
行為を始めようとしたけど、帰りが遅いのを気になったアリスからの電話で、気持ちが冷め、ビルは手を付けないで、料金を支払い、その場を立ち去る。
気分が晴れない状況を持ったままビルは、そのまま帰らずに街を彷徨っていた。
パーティの席で、ニックがピアノを弾いている店を聞いていたので、その店を訪ね、ニックともう一度会う。
演奏が終わったニックと酒を飲んだビルは、彼から変わった話を聞く。
それは、謎の集会に招かれ、目隠しをした状況で、ピアノを弾くといった胡散くさい仕事の話であった。
関心を持ったビルは、ニックを説得し、その集会が開かれている場所と、参加に必須のパスワードを聞き出す。
更に、その集会に参加する為には、仮装することが不可欠であることを知ったビルは仮装用のマスクとマントを真夜中であるけど、料金をはずんでレンタル衣装屋から一式借りて現地へと向かう。
そこではマスクをつけた大勢の男女が、独特の儀式みたいなものを行い、周りの人がいる前で、性行為を行うという異様な光景を目にする。
ビルは動揺しつつも探求心を抑えることができなくなり、他の参加している人とは違う所作によって怪しまれ、部外者ということが知られてしまう。
赤いマントを身に付けた男に呼ばれ、逃げ場を封鎖されたビルはマスクを取ることを命じられ、素顔を晒す。
さらに裸になるのを強要されるが、1人の女性が身代わりとなることでビルを助ける。
彼女の素顔がわからないまま、ビルはその場を追い出される。
次の日、ビルは事の真意を確かめるため、ニックが泊っているホテルへと足を運ぶが、彼は一足早くチェックアウトをしていた。
ニックが、怯えた感じで2人の男に連れていかれたといった話しをホテルの受付係より聞かされて不審に思う。
ちょうど新聞記事からは、パーティで介抱をしたマンディが亡くなったことを知る。
病院を訪ね安置されているマンディの遺体を確かめ、彼女が正に自分の身代わりとなってくれたマスクの女性だと確信する。
ショックを受けるビルだが、ジーグラーの電話によって呼び出される。
そこで、ジーグラーは昨夜ビルが訪れた集会のメンバーであることを告げ、無駄な勘繰りをしないように警告を受ける。
混乱したビルは、自宅に戻り、号泣してアリスに全てを打ち明け謝罪する。
翌日、娘をと一緒にクリスマスの買い物に出掛けたビルとアリスは、ここ何日かに起きた出来事を回想し、2人は共に愛を伝え合う。
やっぱり外見が大事?
私はこの映画において思ったのは、「イケメン」は全てが許されるということ。
例えば、深夜に突然訪ねても疑うことなく鍵を開けて部屋に招き入れてくれる女性。
女性たちは皆ビルの顔をじっくり見て、心からイケメンの彼に、好意をもっています。
秘密パーティにおいても、招待されていないのに偽って潜入し、身元がバレて取り返しのつかないことをしたビルの身代わりとなってくれる女性やレンタル衣装屋の少女から誘惑をされるといった感じ。
また、くどい程に自分のことを「医者だ」といって権威を見せつつ、用件を受け入れるために、嘘をついて、願いを聞いてもらいます。
「俺は医者だ」というプライドが、態度に表れている。
こんな風に肩書きや、見た目によって人は物事を決めているという描写がたくさん出てきています。
それは暗に見せかけだけの嘘だと言っているように思えた。
ただ格好よすぎる、どつぼだったアイズワイドシャットのトム・クルーズ…髪型、服装。革手袋、黒ロングコート。白衣…ずっと格好良い。濡場もえろかったので目の保養的に最高ぶっ倒れる pic.twitter.com/OzMmk3TIWC
— 東2H45A (@yuk_yrie) 2017年12月5日
キューブリック監督が伝えたかったこと
『アイズ・ワイド・シャット』は、何かと『性描写』ばかりが話題になった作品です。
だけど私はこのように解釈しました。
まず、興味を引くオープニングでのシーン。
ワリと長めに時間を掛けていますね。
このシーンで、私はセレブに見えるエリート夫妻の暮らしに心を魅了されました。
誰もが憧れを抱く安定した生活、幸せな家庭。
だけど、これがキューブリック監督の仕掛けた前フリであったとは!
パーティから帰宅して、つまらないことで口げんかを起したビルとアリス。
彼女は夫の安易な考え方に失望し、女性が内側で抱えている思いを突きつけようと、勢い余って密かな浮気願望を打ち明ける。
妻の秘められた真実を知ったビルはショックを受け、今まで大切に考えてきた夫婦の関係に背を向けようと、いくつかのチャンスを活かし、知り合った女性と関係を持とうとするが、全て妨害が入りうまく行かない。
そうこうしている内に、闇の世界の人間が集う秘密のパーティに、興味本位で参加したことがバレてしまい、身代わりとなって自分を助けてくれた女性が数日後に死体で発見され、彼は事件の真相に迫ろうともがき苦しむが、何も出来ない。
しかし、思いもよらぬところから真相がわかり、ほっと一息自宅へ戻ると、寝ているアリスの横に秘密パーティで使ったマスクが置いてあり、ビルは泣き崩れ、数日間起こった出来事を妻に全て打ち明けます。
離婚の危機を脱したこの夫婦は、愛に依存しないと生きることができないことを再確認し、必死に受け入れようとする2人の姿は好感がもてます。
『たとえ夫婦であろうとも、踏み込んではいけない領域があるんだぞ』と伝えたかったのだと感じた。
なので、タイトルも『アイズ・ワイド・シャット』なのかな?
【映画紹介】
「アイズワイドシャット」
みんな大好きキューブリックの遺作。トムクルーズとニコールキッドマンの夫婦役も当時話題に。妻の夢に嫉妬した旦那が夜の街を徘徊していると、色んなことに巻き込まれ始める。キューブリックの映像美となんともいえない妖艶さ。解釈に没入したい人は是非。 pic.twitter.com/Zo4PRHjM8c— 藤井誠 (@ruisublog) 2016年12月24日
トム・クルーズもなかなかやるじゃない
これといった不安も持たないまま人生を歩んできた主人公のトム・クルーズは、ふとしたことが発端となって悪夢のような世界に迷い込み、夜の街をあてもなくさまようことになる。
そうなってようやく、世の中の暗部や自分と比較して起こる摩擦を認識し、その苦痛や不安に泣き、とどのつまりまるで赤ん坊のように、妻のニコール・キッドマンにすがりつく。
「僕はこれ程までに無力であったのか!」といったビルの困惑と怯えが、ラストシーンで妻のアリスに向けて尋ねる「ぼくたち、これから先どうやればいいだろう?」というセリフによく反映されている。
おろおろしまくりのトム・クルーズの質問に、ニコール・キッドマンはため息まじりに言い返す。
「少なくても私たちは、ひとつの嵐を乗り切ったわ。それまでのことよ。」
「あなたみたいな苦労知らずのお坊ちゃんの本性なんか、とっくにわかっていたけどね。」
なんてことニコール・キッドマンは言わなかったが、妻の言葉に間違いなく救われたみたいに笑顔と緊張が解けるトム・クルーズが、まるで子犬のようにしか見えない。
自分の居場所がカチッと決まっていることが当たり前の「金持ちで賢そうな大人の男」を主人公と位置付けて「だいぶ遅れた思春期」をやってみせるところ、やはりキューブリック監督は只者ではないと思った。
トム・クルーズの子犬感も惜しみなく出され、単なるイケメン俳優ではない部分をこの作品によって、役者としての格を上げましたね。
まとめ
本作は、作品論を振りかざして、あえて単純な話をややこしくしている人が多い。
要は、ある夫婦の間に起きた2日間の物語として、素直に観ればいい。
この話が必ずしも大げさでないくらい、今の時代は、性に対し色んな考え方が溢れている。
その部分を官能的な映像で表わしている映画だと認識すれば、作品の意図がわかります。
トム・クルーズとニコール・キッドマンが交わす、夫婦の間における性に関した口論は、リアルに迫っていて必見です。
タイトルの『アイズ・ワイド・シャット』が夫婦間における問題に答えています。
身近な問題をモデルにしてあげると、夫のスマホを勝手に見てもいいのかという問題に対してです。
答えは、相手のことを全部根掘り葉掘り知ろうとすると結婚は維持できない。
ただ、この教訓も実際のトム・クルーズとニコール・キッドマンにおいては、役に立たず離婚してしまったのは残念だけど、作品としては面白かった。
『アイズ・ワイド・シャット』が観れる動画配信サービス
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