ネタバレ含みますのでご注意ください。
まさに、千葉真一のカッコよさの一言につきますね。
自衛隊が戦国時代にタイムスリップするという荒唐無稽な設定をアクション思う存分、人間ドラマしっかりと、歴史ロマンに富んだで楽しませてくれます。
突然タイムスリップして、パニックになる千葉真一演じる伊庭や隊員達。
そこに突如顔を出した夏八木演じる長尾景虎 。
軍隊の体制をしつつも平和の時代にやり場のないモヤモヤ感の自衛隊に対して、生きるか死ぬかの下剋上の時代を生きる長尾景虎と、正反対の価値観だ。
悩みやストレスによって離反する者や犠牲者を出しつつ少しずつやる気が失せてゆく自衛隊員達。
そんななか、自分の思いに迷いが生じない長尾景虎は、伊庭を自分と同じく戦うことに価値を見出すことしかできない人間と評した。
友となった伊庭は「天下を取ると!」決意する。
始め、隊員たちは昭和の時代に戻ることを願った。
伊庭もそれを実現させようと役割に徹したかのように見えたが、実際は伊庭が一番の困ったちゃんであったことに気づかされる。
誰よりも、欲望の為に生きる隊員を成敗しまくったりしたけど、お前もそうだったのか・・・そういう隊長のワガママに隊員たちは、付き合わされてしまう。
悲劇的な最後ではあるだけど、本作は各場面に散りばめられた挿入歌やBGMが哀愁たっぷりと盛り上げてくれます。
SF歴史ロマンの傑作。
そんな『戦国自衛隊』のあらすじと感想をご紹介します。
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あらすじ
動画はこちらになります。↓ ↓ ↓
伊庭義明三等陸尉(千葉真一)他21名の陸上及び海上自衛隊は、演習に参加するために移動中、突然不思議な時空の歪みに遭遇し、戦国時代にタイムスリップしてしまいます。
そんな戸惑う彼らの前に戦国武将の長尾平三景虎(後の上杉謙信)が家来を引き連れて現れます。
何事にも首を突っ込みたがる景虎(夏八木勲)はこれまで目にすることがない戦車などの兵器に心を奪われ、伊庭たちを仲間として引け入れようと誘います。
最初、伊庭と隊員らは、戦国時代にタイムスリップした状況を受け入れられず悩みます。
でも、合戦に巻き込まれ、その光景を目にした伊庭は、景虎に支援しようと決意します。
伊庭たちは自衛隊の武器を使って勝ち、景虎の信頼を得ます。
隊員たちの間で、それぞれの考えが現れてきます。
戦国時代の人々とコミュニケーションをはかる者、何が何でも現代の世界に戻ろうと逆らう者、住んでいる人とコミュニケーションを取ると歴史が変ってしまうと心配する者がいました。
三村泰介(中康治)は農民の娘・みわ(小野みゆき)と恋に落ちます。
矢野隼人陸士長(渡瀬恒彦)は自分が天下を取る人間だと思い込み、島田(三上真一郎)や加納(河原埼健三)と反乱を起こして、漁村を襲い、女性たちを強姦して伊庭に銃殺されてしまう。
伊庭は、景虎と一緒になって天下を取ることで歴史が変り、現代の世界に戻ることができるのではないかと考え、隊員たちも同意します。
伊庭は越後から南に進み、信濃・川中島で武田信玄軍を倒し、景虎と京都で再会しようと約束をする。
伊庭たちは、川中島で武田信玄率いる軍と戦います。
始めは優勢であった戦いも、信玄が前もって入手していた情報から割り出した戦略によって、少しずつ不利になりました。
ヘリコプターは墜落し、戦車は動きを妨害され、装甲車は仕掛けられた穴に落ちて、伊庭たちは戦力を失くしてしまいます。
伊庭は、戦況の不利を察知し、本陣に斬り込んで、信玄と一騎打ちをし、首を取りました。
多くの犠牲者を失い、再び現代にタイムスリップすることを求める隊員たちだが、伊庭は戦国時代に留まり、天下を取ることに思いが変っていました。
浅井・朝倉連合を破って、京都に着いた景虎は素姓が分からない伊庭たちと一緒になってやったことを、朝廷から批判されました。
足利義昭、九条義隆らによって説得された景虎は、伊庭たちが立ち寄っている寺に訪ねて、伊庭と隊員たちを全員殺害します。
伊庭に友情を持っていた景虎は、彼らの遺体を寺ごと焼き払い葬りました。
荒唐無稽だけど面白い
実際の歴史と整合性が合わないといった細かい突っ込みどころ満載ではあるけど、そんなどうてもよいことを気にするよりも、学芸会の延長のような中身がスカスカのものやCGに頼った今の映画にはまず表現することができない。
リアルの迫力といったものや、俳優たちが生み出す味や哀愁が感じ取れる作品。
公開当時はあまりに荒唐無稽であることから、好き嫌いがハッキリと別れる映画でしたが、男が鑑賞する映画としてこれほど感情移入できるものも少ないと思う。
個々の隊員にそれぞれドラマがあり、最初の方はちょっとかったるいとかんじるけど、何気なく涙腺があつくなるシーンも様々。
とりわけ伊庭と景虎の時代を超えた、男としての友情が非常に印象に残る。
クライマックスの合戦シーンはJACの全面協力の下、とにかくアクションの凄いこと。
馬の横面から突如忍者が現れたり、千葉真一が馬を駆けつつも弓と矢を交互に拾ったり、真田広之がヘリから飛び降りるといったことをいとも簡単にやっているので、なんとなく観てしまいがちだけど。
今でも古さを感じず充分に通用するアクションですね。
一番印象的なシーンは、何度も何度もやられてもひるまずに突撃してくる足軽たちを前にして、戦車の自衛隊員が怖気づいて後ずさりするところは妙に心を動かされた。
まさしく戦国時代を現す、シーンだと思う。
伊庭が言った「昭和の息がつまる時代よりも、この時代でありのままに生きよう」も印象的だった。
でも、今の平成の時代は閉塞感が漂いさらに息がつまります。
映画「戦国自衛隊」(1979)での千葉真一の圧倒的なかっこよさ( ¯•ω•¯ )圧巻は、全力疾走する馬に乗りながら弓矢を拾うシーン。このおっさん本物や。 pic.twitter.com/YnKViEpWeO
— 次郎正宗 (@zealous_) 2018年7月22日
「タイムスリップ」ものの傑作
『戦国自衛隊』が、日本のタイムスリップとして、始めて見た作品。CGがない時代の作品だけれど、とてもよくできている。
ちょうど角川映画の全盛期とあって、時代を代表する豪華な出演者から考えても力作であると言える。
日本製のSF作品ではトップクラスの名作と言っても言い過ぎではないですね。
近代装備を兼ね備えた軍隊が肉弾戦に匹敵する戦国時代でいかに戦い、生きるのか。まさにタイトル通りの『戦国自衛隊』である。
タイムスリップによって、歴史の時流が起き歯車が狂ってしまったせいなのか、その後の上杉謙信である長尾景虎の人物像も通説と違っている。
いつも義を主張し、自らの野望のための戦いは一切しなかったといわれる景虎だが、本編では自衛隊と手を組んで天下取りに突き進む。
それもまたSFならではの面白さである。
個人的には最高評価の作品であることに疑いの余地はない。
角川映画らしく派手なところが堪らない
当時の角川映画というと、宣伝に金を投入して中身が無い映画と評論家たちが揃って批判したものです。
だけど、現在では中身が無く駄作と言われた『人間の証明』でさえ名作として扱われている。
私は角川映画が本当に好きであった。
当時角川映画のメディアミックスはとても画期的で、まんまとその戦略にやられました。
新聞やテレビの宣伝であおりまくるお祭騒ぎは熱狂的な映画体験といえますね。
この『戦国自衛隊』は自衛隊の協力が一切得られず、戦車を全て造りましたというお金に糸目を付けないのがいかにも角川映画らしい。
現在の映画に協力的なことが信じられないくらいに、当時は閉鎖的だった自衛隊。
協力をしなかったことが、予想とは裏腹にこの映画を目茶苦茶面白くしてしまった。
自衛隊に配慮することが無く、無軌道な行動に突き進む隊員や反乱を起こす隊員を活き活きと描いている。
最新兵器を借り受けて撮影した『戦国自衛隊1549』は自衛隊の顔色を伺ったことによって残念な映画になってしまった。
ただ一つ心残りなのは、青春グラフィティという発想から起用された斎藤光正監督も悪くはないけど、深作欣二監督であれば、千葉真一の狂気に焦点を絞ることでより一層凄い映画になっていたに違いないと思うと悔やまれてならないですね。
映画とは、その時代における雰囲気も大きく反映される。
例えば、1983年に公開された『里見八犬伝』は、深作監督らしくイケイケどんどん的な勢いを感じたが、この『戦国自衛隊』はどこか1970年代のドラマによく見られた『青春の挫折』をうまく表現しています。
まとめ
今の日本では役者を守ることから本物のアクションスターが存在しない状況。なので、体当たりでアクションに望んでいるシーンを観ると感心する。
アクションがひと際キレがあって格好良すぎると思っていたら、JAC10周年記念作品でもあるんですね。
キャストも千葉真一と夏八木功の演技は圧巻。他にも真田広之、薬師丸ひろ子、草刈正雄、佐藤蛾次郎などが顔見せで出演しているのも角川映画らしいサービスショット。
破滅にひた走るストーリーは 映画『ゾンビ』に似ている。合戦シーンにおける、マシンガンにひるまず突き進む足軽達の不気味な迫力は本当にゾンビっぽい。
でも改めてみると、最後伊庭を殺した景虎は結局天下を取れなかったんだなと思うとふと悲しくなった。
戦争アクション映画というより、青春群像劇といった感じが色濃い。
主題歌や挿入歌が青春ぽくてマッチしないと思ったけど、意図的に狙っていたのですね。やられた。
細かいこと抜きにして、角川映画が最高だと思わせてくれる作品。
この映画の荒唐無稽さについていけない人がかなり多いのは、時代の流れとして淋しいですね。
『戦国自衛隊』が観れる動画配信サービス
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