ネタバレ含みますのでご注意ください。
草刈正雄の若い時のカッコよさは半端ないですね。
本音を言えば、草刈正雄は本作以外は出演するべきではないと言いたくなるほど、北野晶夫がはまり役だった。
映像も、これまでの邦画とは違い芸術的な手法を色々取り入れ試している印象で、当時のものとしては非常に綺麗です。
オープニングのローズマリー・バトラーが歌う主題歌が流れ、気分は直ぐに最高潮になりラストまで一気に観られます。
有名になった自宅内部にあるプールで泳ぐシーンも懐かしく、また数多くのクールな場面は80年代に戻り胸が熱くなります。
本作の見どころはやはり、レースシーン。現在ではCGが支流なんだろうけど、本物の迫力は違いますね。
今となっては、アメリカ的なノリの演出は鼻につくし、観ていて確かに気恥ずかしいけど、そこが何ともいえない魅力でもあります。
まぁ確かに突っ込みどころが多いけど、娯楽作品と割り切って見ると最高です。
そんな『汚れた英雄』のあらすじと感想をご紹介します。
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あらすじ
全日本ロードレース選手権第8戦、メインレースである国際A級500cc決勝を前にして、サーキットは興奮状態であった。
これまでの成績は、北野晶夫(草刈正雄)が96ポイントでランキング1位、2位は連続チャンピオンを狙う大木圭史(勝野洋)、そしてランキング3位には 新人の鹿島健がつけている。
個人的に活動している北野晶夫と会社に所属している大木圭史との対決は、プライベート・チームとファクトリー・チームの対決として捉えることができる。
そしてついに決勝レースがスタートする。
いつものように晶夫が、快調に飛ばし、9周目においては、最速タイムを叩き出すといったすばらしい走りを見せる。
過去に世界グランプリで培ったライディング・技術は健在だった。
トップを走る晶夫に対し、執拗に迫る大木に最終の直線において抜かれてしまいそのままゴールとなり、わずかな差で大木に負けてしまった。
これによって、晶夫と大木が同じポイントで並び、決着は2週間後に開かれる最終戦に持ち越される。
敗因はマシーンによる差が歴然としていた。
それはプライベート・チームとファクトリー・チームによる技術力と組織の差でもある。
晶夫は直ちに チーフ・メカニックの雨宮(林ゆたか)にマシーンのチューン・アップを指示した。
間近に迫った最終戦日本GPで、日本のトップに立ち、自分の力で世界を制す栄光へのステップだからだ。
緒方の妻あずさ(浅野温子)はチーム・マネージャーである。
こうして、は2週間後に控えた最終戦に向けて始動させた。
だけど、プライベート・チームを維持していくためには莫大な資金が必要。
その為、晶夫は持ち前の美貌と強靭な肉体を武器にして、資金力のある女に取り持つジゴロであった。
昌夫には、スポンサーとして、世界的なデザイナーである斎藤京子(木の実ナナ)がいるが、新たに財閥の令嬢である
御木本菜穂子(朝加真由美)が接触し、新たなスポンサーとなる。でも、世界を目指すにはもっと多くの資金が必要となる。
昌夫は、仕事で日本に滞在しているクリスティーン・アダムスに目を付ける。
10億ドルの遺産を相続し、世界的に有名な会社のオーナーである彼女のことは、ヨーロッパにいた時からすでに知っていたのである。
晶夫は京子と同伴したパーティの席でクリスティーンと再会し、晶夫の誘惑に負けて恋に落ち、10万ドルの小切手を手に入れる。
金銭面の工面は付いたが、肝心となるマシーンのチューンナップは思ったようにうまく進んでいなかった。
それは、メカニックの雨宮が女の事で仕事に集中することが出来ないでいたからであった。
そんな雨宮に対して、晶夫は解雇する。
この時から緒方すると一緒に一睡もせず自らマシーンのチューンナップをしくり返していった。
そしてついに最終決戦の時が来た。
決勝レースがスタートしたが、昌夫のマシン は思うように始動できずにいたが、やっとエンジンに火がついた晶夫は最下位からのスタートになるが、さながら何かに憑かれたように物凄い走りで順位を上げていく。
そんな矢先、38周目において、晶夫に予想外の出来事が襲いかかる。なんとヘアピンで転倒してしまう。
晶夫に3年前に起きた世界選手権の悪夢が甦る。しかし、晶夫は、気持ちを切り替えて再び立ち上がった!
転倒したマシーンを起こして、走り始める。
そして以前にも増してペースを上げ、晶夫はトップを快走する大木と鹿島の背後に迫る。
そしてラスト1周!
晶夫と大木の鬼気迫る走りにくらいついていった鹿島は自分の限界値を超えたことによって、転倒してしまいトップ争いから脱落する。最終のヘアピン、晶夫の神がかった執念が大木を上まわった。
追いかける大木を振りきり晶夫がゴールする。ついに宿命のライバルであった大木を破ったのだ!
晶夫ともに戦った緒形たちと別れを告げ、世界に向けて新たな戦いに向かう晶夫。
しかし、翌年の世界選手権の第7戦ベルギーGPにて死亡してしまう。
角川映画らしく派手な演出が最高!
何よりもまず「映画=娯楽」という当たり前の事を理解しておいて欲しい。
娯楽であるからこそ、浮世離れした人々や映像美が描かれて成り立つという事。
だけど一つ一つ確認していくと、例えば、奥田瑛二や浅野温子夫婦のライフスタイルは、今と比べて当時のほうがやっている人が多かったので、時代の雰囲気からして何となく理解できる。
ツッコミどころになると、80年代のGPライダーが、金を集めるだけの魅力があったかというと疑問だが、これはあくまでも娯楽映画なんだと思って頂きたいですね。
細かいところは気にしない。
実際のところこの作品の影響から、2輪GPにおける世間の見る目が変化して、動く金の桁数も手の平を返したようになった。
公開されたのが82年なので、後に訪れることとなるバブルの産声が敏感な人には聞こえてきている時代だから、貧乏くさく辛気臭い描写よりも派手で華やかな描写が求められていた上に出来上がった作品。
でも、それを差し引いたとしても、今だったらCG処理をしてしまうとろ、臨場感あふれるカメラワークやスタントシーンは、鳥肌もの。
現役レーサーのタコメーターを写した状態でスリップダウンする映像なんて、現在ではまず無理なシーンだと思う。
タイトルの「汚れた英雄」のどこが汚れているかというところは、作品の中でちゃんと描かれている。
YAMAHAのファクトリー・ライダーである勝野洋と、草刈正雄がグラビア撮影をしている会話で、世界中のサーキットのベストラップを自分のモノにしたい、というシーンがある。
ファクトリー・ライダーとは、メーカーの金で参戦することができるが、レーシングチームが勝つ事を義務付けられているレーサーであるということ。
それに対してプライベート・ライダーは、自分が集めた金で参戦することが出来る存在…要は、私利私欲のために他人の金を使うことができる存在であるという事。
これを意味して『汚れた英雄』と理解してみるのが正解。
私は角川作品にまみれて、多感な時代が過ごせたことを感謝しています。
「汚れた英雄」録画観賞。
まるっきり映画としての内容無し。
大藪春彦の原作を読めば内容の深さを知る事ができるのでオススメ。しかしレースシーンは抜群。
当時日本一平忠彦が草刈正雄のレーシングアクトでしかも今はなき2ストマシンの音もサイコーレースシーンだけで観る価値あり。 pic.twitter.com/gC0ML0raDN
— papa (@pkksf1) 2017年7月23日
バブルを知らない世代には絶対にオススメしません
当時の雰囲気がホントにヤバイ、涙が出そうだ。
バブルがわからない世代には絶対にオススメしない。
なぜかというと、観てもまったく意味がわからず価値を見出すことが出来ないからだ。
本作が公開された時、私は小学生で始めてこの映画を観た時の衝撃は大きかった。
なんといっても、とにかく草刈正雄がカッコよかった。
そのことが大事であって、それをいちいち理屈をこねて分析する必要は無いと思う。
それで十分。
80年代は、間違いなくあれがカッコよかったのだ。
だから、現体験していない世代の人間になぜあれがカッコいいのかを理解しろと言っても、まず無理なんです。
我々が、今流行の青臭いガキや小娘たちが出演する作品に感情移入できないのと同じです。
私たちが最も輝いていた昭和の時代。
熱くギラギラしていた世代には堪らないですね。
ほんの一瞬でもあの頃の空気を蘇らせてくれる貴重な作品です。
日本映画専門チャンネルの『汚れた英雄』をぼーっと観ていたら、草刈正雄と木の実ナナのデートシーンに京王プラザホテルのバーが使われていた。赤レンガの壁に、頭がすっぽり埋まりそうな高い背もたれの椅子が特徴的で、昔よく行ったので懐かしい。 pic.twitter.com/OoELl1iXac
— 篠崎真紀 (@shinozakimaki) 2014年9月5日
草刈正雄のワンマンショー
個人で世界制覇を目指す孤独なライダーの顔とジゴロの顔。
普通の人がまずマネのできないような女性に対する気配りや服の着こなしを決める時の仕草とかカッコいい男は、こう在るべきといった教科書のような内容。
このキザ野郎!と思いながらも、やはり晶夫はカッコいい。
自宅の中にあるプール。
クローゼットにある洋服の数といった男が憧れる要素が満載。
そして、なんといっても甘いマスクにクールな性格。
これこそ、大藪春彦が描く定番の主人公。
言うまでも無く、モータースポーツファンでさえ納得するレベルの驚くほど斬新なカメラワーク。
例えば、ヘアピンカーブで転倒してからの、コースに復帰した仕草は、憎いぐらいにツボ押さえている。
原作の小説とは、明らかに違うストーリーのようだが、男ならば、この映画を観て草刈正雄のように振る舞ってみたいもの。
北野晶夫のクールでありながら、どことなく寂しくだけどそこがとてもカッコよく憧れたものでした。
改めて観返しても古さはまったく感じない。
草刈正雄は、今のイケメン小僧たちとは、格が違います。
「角川映画祭」@角川シネマ新宿、8/6(土)14:00『汚れた英雄』の回にプレゼント企画実施!草刈正雄さんサイン入り「角川映画祭」のポスター、チラシを数量限定で。上映終了後に劇場内にて抽選会を行ない、その場でプレゼントします! pic.twitter.com/3CsFUjiBKB
— 映画祭@角川シネマコレクション (@kado_cine) 2016年8月3日
まとめ
時代を感じるけど、よかったです。
36年前の映画だけど、何回見ても飽きないですね。
ストーリーに関しては、中身がないB級映画と酷評されがちだけど、そもそもこの『汚れた英雄』は北野晶夫と言う独り男の2週間に焦点をあてたライブフイルムなんです。
バイクレースを題材にした映画は後にも先にも本作品を超える作品は皆無で、もっと正当に評価されてもいいんじゃないかな。
オープニングの主題歌とレースシーンでやられました。
これほど映画のシーンと音楽がマッチした作品はないですね。
草刈正雄が本当に格好いい男性だということに気付かされます。
この当時の角川映画はどれも勢いがあって、いい味出してますね。今でも好きです。
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