ネタバレ含みますのでご注意ください。
『魔界転生』は『ブレードランナー』と並ぶ、80年代B級カルト映画として知る人ぞ知る作品。
本作は実際の人物を自由自在に動かし、夢のような対決を見せたり、歴史上における『IF』を描くところが最大の魅力。
それに加えて日本における魔術や梵字といった呪術や呪文が登場する世界観は1981年の時点ですでにロールプレイングゲームを彷彿とさせる設定がされていて、とても先見性があるといえる。
この『魔界転生』の世界観が現在のマンガ、アニメ、ゲームに与えた影響は計り知れない。
天草四郎や柳生十兵衛のイメージは間違いなくこの『魔界転生』に源流があります。
また本作が今でも人気がある理由が、千葉真一と若山富三郎のラストにおける殺陣の凄さです。
何度見ても惚れ惚れする。
この対決シーンは設定、殺陣、セリフ、展開、演技がどれをとっても完璧で、数多くの時代劇の中でも、屈指の名場面として語り継がれています。
そんな『魔界転生』のあらすじと感想をご紹介します。
目次
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あらすじ
1638年(寛永十五年)、天草四郎時貞(沢田研二)は、島原の乱を起こすが、幕府軍に討伐され、四郎は自害して果てた。
辺り一面は、惨殺されたキリシタンの死体が散乱していた。急に雲行きが怪しくなり、雷光が落ちた。
その時、首を斬り落とされた顔の目が突如カッと見開き、能を楽しんでいた武将たちが倒れた。
そして、能面を付けていた者が四郎と変わった。
四郎は魔界衆として甦り、死んでいった兄弟たちの復讐を決意する。
四郎は呪文を使って、名だたる武芸者たちを黄泉の国から呼び寄せ、幕府転覆を目論む。
まず最初に、細川忠興に未練を残しつつも死んだ細川ガラシャ(佳那晃子)を魔界衆として甦らせた。
宮本武蔵(緒形拳)は死に際に、柳生十兵衛光厳(千葉真一)との戦いをしていないことに後悔していた。
そこに四郎と細川ガラシャが現れる。
2人を前にした宮本武蔵は、この世に対する未練を口にし、魔界衆として甦る。
宝蔵院胤舜(室田日出男)は槍術を極めていたが、女性に対する欲望が捨てきれずにいた。
胤舜の前に現れた細川ガラシャに誘惑され、自分の修行不足を嘆き自殺する。
そこに四郎時貞が現れて、「自分の欲望に正直になれ」と諭されることにより、胤舜は受け入れて魔界衆として甦る。
柳生十兵衛が伊賀の里に訪ねてくるとことを聞いていた霧丸(真田広之)は喜んでいた。
そんな矢先、甲賀衆によって、伊賀の里が襲われてしまう。村人を守るために奮闘するが、霧丸も殺された。
しかし、ここにおいても四郎時貞が現れ、霧丸を甦らせた。
すぐ後、柳生十兵衛が伊賀の里に現れ、襲われた惨状を目にして立ちすくむ。
生存者がいないか辺りを探しまわる十兵衛の前に、5人の魔界衆が馬に乗って現れた。異様な雰囲気に危険を察知した十兵衛は木の上へ飛び乗り、手も足もでなかった。
十兵衛は、5人の中に霧丸がいることに驚き、他に宮本武蔵と蔵院胤舜の姿を確認する。
けれども、残る2人については、誰なのか見当がつかなかった。4代将軍徳川家綱(松橋登)が日光東照宮に参詣していた。
ガラシャは、お玉と名乗る巫女に変装し、家綱に見初められ側室となる。
しかし、お玉の様子がおかしいことから松平伊豆守(成田三樹夫)と甲賀玄十郎(成瀬正孝)が家綱からお玉を引き離そうと企てていると、四郎が現れ、2人は惨殺される。
お玉が側室になってから家綱の原動に危惧した宗矩は、お玉を引き離すために城中へ向かうことにした。
表向きは乱心を装い、お玉を迎え撃つために宗矩は村正を携えて屋敷を出た。
そこへ来て、宝蔵院胤舜が現れ激闘の末、宗矩が胤舜をバッサリと斬り捨てたが、病に侵されていたことから倒れてしまう。
四郎は宗矩を魔界へと誘うが、宗矩は頑なに拒んだ。
しかし、息子である十兵衛の類まれな剣士としての資質に惚れ込んでいたい宗矩は、1人の剣士として十兵衛と勝負したいという想いが捨てきれずにいた。
その願いを四郎に見透かされた宗矩は魔界衆として甦った。
家に戻った十兵衛は弟の左門友矩が何者かによって殺されたことを宗矩に問いただそうとしたところ、異様な殺気に気がついた。
十兵衛は魔界衆となった宗矩と武蔵を倒すため、刀鍛冶の村正(丹波哲郎)の元を訪ね刀を依頼する。
四郎は霧丸を連れて、幕府の天領である佐倉に趣き、作物が不作となるように呪文を唱える。
その結果、作物は実らず、農民たちは年貢の軽減を求めたが、代官は聞く耳を持たなかったことにより、争いが起きて、農民たいは磔にされ、弾圧を受ける。
四郎は農民たちを扇動し、一揆を起こす。
霧丸は、十兵衛と再会を果たし、悪に染まり切れずにもがき苦しみ「殺してくれ」と泣き付いた。
しかし、十兵衛は霧丸を殺しはしなかった。
霧丸は、心を通わせたお光と共に逃げようと試みるが、四郎に見つかり抵抗するが、敵わず殺されてしまう。
そしてついに十兵衛は武蔵と対決し、打ち砕く。
その頃、江戸城では、お玉ことガラシャによって骨抜きにされていた。
ガラシャの口から忠興の名が出たことによって、家綱は嫉妬に狂い、もみ合っている間に灯が倒れ、屋敷内が燃え始める。
やがて江戸城は紅蓮の炎に包まれる。
十兵衛は身体中に魔除けの梵字を描いて望み、宗矩と対決した。間一髪で宗矩を倒した十兵衛の前に天草四郎が襲いかかる。
柳生十兵衛は何と言っても千葉真一のハマリ役
何と言っても、柳生十兵衛は、千葉真一の当たり役だということが再認識できますね。
これぞ侍といったオーラが半端ない。
十兵衛に乗り移ったかのような迫力の演技と殺陣は、時代劇スターだと思う。
テレビの時代劇でよく見られた紋切り型の殺陣から本物ぽい立ち回りの演技へと変化させたのが千葉真一の柳生十兵衛ですかね。
主演を完全に食ってます。
柳生十兵衛役が一心同体となってはまり、役者が実物を超越した好例と言えます。
ラストにおける若山富三郎との柳生対決は、真剣白刃取りを決めて仕留め、その後、十兵衛の眼から涙がこぼれるとごろがまたいいんですよね。
目力で芝居する役者さんなので、観ていて鳥肌が立ちました。
#暑いので更に暑苦しい画像を貼る
千葉真一はジャワカレーのCMに出ていて、いつでもどこでもバブルスター。熱い俳優さんである。極め付けは燃えさかる江戸城での大立ち回りを演じた『魔界転生』。8・12京都怪奇映画祭nightで上映 https://t.co/nIPGtGK6So pic.twitter.com/gYXeHvnWbA— 馬場卓也@8・25ラジオ&カクヨムやってます (@takuyaz) 2017年7月31日
若山富三郎の殺陣が素晴らしい!!
若山富三郎の殺陣が素晴らしすぎて、目を見張ります。
さすが、先生といわれるだけあって、名殺陣師だということがよくわかります。
立ち回りの見得の切り方なんかも見ていてホントに惚れ惚れするほどカッコイイです。
室田日出男演じる宝蔵院胤舜との殺陣もイイですね。
胤舜を倒した後、魔界衆に転生するんだけど、若山富三郎の挙動の変化、不気味さを体現し、素晴らしい。
そして何といっても最後の千葉真一と若山富三郎の炎が燃え盛る中での大立ち回りは、本当に転生したかの如く取り憑かれてるとしか思えないほど凄まじい。
これこそ時代劇の殺陣といった感じです。
今の役者で、同じシーンを再現しろといってもまず不可能。
伝説となった殺陣を是非、観てもらいたいですね。
非の打ち所の無い、素晴らしい作品
『魔界転生』は、歴史上の出来事をテーマに取り入れているけど、スケールがとても大きく、当時の特撮技術において、かなり力が入った作品だといえます。
死んだ人間が甦り生前の無念や欲望を果たすという、一見するとゾンビ物のように思うけど、全く違う。
気色が悪いだけの中身がスカスカの映画やただ単純に脅かすだけのホラー映画とも違うし、CGを使ってリアル感やスピード感を出す映画とも違う。
そのような類の作品とは比べ物にならない。
特に、紅蓮の炎に包まれながらの柳生十兵衛が、宗矩と天草四郎における対決するラストの場面。
徐々に屋敷内が炎によって焼かれ、柱が崩れ落ちていくところは、いったいどうやって撮影したのか。
以前、千葉真一がTVで当時の撮影の様子を話していて、若山富三郎とのシーンは、実際に火が燃えさかる中で行われた撮影とあったことを知り、今では、このような危険なシーンを再現しようとしてもまず無理でしょうね。
俳優陣はもちろんのこと、監督やスタッフすべてが最高水準を兼ね備えた映画であることが伺えます。
このような殺陣やカメラワークの技術が今の日本映画に失われてしまって本当に残念。「こんな面白い日本映画がまた観たい」と観賞するたびに思います。
妖艶な雰囲気が堪らない
『魔界転生』は、とても幻想的でミステリアスであると同時にエロチックな映画でもあります。
全てに艶があるんですよ。
その中でも、細川ガラシャの佳那晃子がいいですよね。あのメイクに切れ長の目が、鳥肌立つほど色気があります。
刀剣男士やら審神者やらが引き連れるであろう女形の式神とかいう設定のやつ、私の中ではビジュアル的に魔界転生の佳那晃/子さんのガラシャが理想像だよ~ pic.twitter.com/E3xq0MHptf
— ねーぽん♥図録🤤🙏😭🤭💮🧟♀️🧟♂️ (@tkn_ossan) 2017年10月15日
室田日出男に、血が付いてしまった身体を抱えられた姿も、また別の美しさを感じてしまった。
ただ愛に溺れ、魔界衆として甦っても尚、破滅していく鬼気迫る怪演技が堪らない。
後は何といっても沢田研二の天草四郎。ぶっちゃけて言えば、完全なイロモノですよ!
あのド派手な衣装、立ち振る舞いかたはジュリー以外考えられません。
真田広之とのキスシーンは、男同士であるのに違和感がないのが不思議です。
お色気とグロテスクが、重なり合って作品自体の怪しさが増します。
初めて見たのが小学生の時で、確か『ゴールデン洋画劇場』かな。
お色気シーンが多いことから、家族と見て気まずさが残った作品でもあります。今は、自主規制が厳しいことから、地上波で放送するとなると難しいかな。
#1日1本オススメ映画
「魔界転生」深作監督独特の鮮やかな色彩に、辻村ジュサブロー氏のケレン味たっぷりな衣装デザインの組み合わせが、この映画独特の雰囲気を醸し出して最高!千葉真一氏の柳生十兵衛は完成の域に達しており、カッコいい! pic.twitter.com/mPAEFWcEPg— 必殺仕事人おじさんチーム (@NrmscqO) 2016年7月22日
まとめ
ストーリーがわかっていても、何度観ても面白い。
私の大のお気に入りの映画です!
深作監督のケレン味たっぷりな演出と豪華俳優陣による組み合わせが、この映画独特の雰囲気を醸し出して最高です。
やはり何といっても本作の最大の見どころは、ラストの千葉真一と若山富三郎のタイマン勝負は凄まじい迫力!!
本当に燃やされている炎のセットでの撮影は、文字通り命懸けの対決に息を飲みます!
千葉真一の柳生十兵衛は、もはや完成の域に達していて、カッコ良過ぎ。
それに負けない位に若山富三郎が繰り出す殺陣。
目にも止まらぬ刀さばきに身震いする。
沢田研二が演じた天草四郎時貞の悪の華とも言うべき妖艶さは、近頃の役者が出せる代物ではない。
当時、ジュリーの性別を超えた存在感なくして、『魔界転生』は叶わなかったであろう。
もはや2度と作ることが困難な神映画です。
『魔界転生』が観れる動画配信サービス
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私たちは「無駄遣いをするな!」と教育を受けてきました。
「余計なものをすぐに買ってしまう」という理由から、お年玉はすぐに取り上げられましたよね。
『無駄遣い=悪いこと』という刷り込みから、どうしてもお金を使うことに躊躇してしまう。
終身雇用の崩壊や消費税が10%と、この先のことを考えると不安になり、無駄な出費は抑えなければいけない。
確かにその通りです。
もちろん、無駄遣いはしないほうがいいのですが、この無駄遣いの定義を多くの人が間違った解釈をしているんです。
世間一般が思っている無駄遣いを積極的に行う人だけが、人生をストレスなく健康で過ごしています。
人それぞれ価値観が違います。
自分の心が癒せるものにお金を支払う事で、それがモチベーションとなって仕事に活かすことができます。
つまり、興味があることに出費を抑えてガマンしていては、ストレスが溜まるだけでむしろ悪循環です。
あなたは、それでもいいのですか?
ネットの普及によって、テレビ離れが加速しています。
特に今の若者はテレビを見ません。
そんなテレビの代わりに注目されているのが、動画配信サービスです。
あなたも時代の波に乗り遅れたくなければ、実際に試してみた方が絶対いいと思いますよ。
心が満たされている人は、生活に余裕が生まれ、普段から笑顔を絶やさずにいるので、幸せを引き寄せます。