『イット/チャプター2』が2019年に続編が公開とあって、そもそもペニーワイズっていったい何なのか色々と考えてしまいますよね。
人間なのか化け物なのか。
それとも幻影なのか。
または、大人が見て見ぬ振りして、「臭い物には蓋してろ」といった集合体のようなものなのか。
このように、様々な視点で解釈ができることから、頭がごっちゃになって、訳が分からない状態になる人も多いはず。
そこで、個人的な主観になりますが、私の考察をご紹介します。
目次
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ペニーワイズとはいったい何ものなのか?
難しいことは考えずに原作に書かれていることをそのまま捉えると、この宇宙そのものが、神(巨大な亀)によって吐き出されたもので、我々が住む地球は数ある星のひとつに過ぎない。
ペニーワイズの正体は、遥か大昔地球に飛来した全く実態がない霊体のような存在が、何百年何千年と生きて来たうえで、蜘蛛に似た生命体に昇華した生物。
この「巨大な亀」の伏線は、第1章でチラッと描かれていました。
弟のジョージーが、レゴブロックで作った亀をビルが床に落として壊れるシーンです。
見終わりました〜😀 大好きなキングの「IT」をかなりうまく映画化してるんじゃないでしょうか。十分怖いし。原作(4巻!)読み直したくなった。Chapter2も見てみたいですね。#IT #スティーブンキング #StephenKing で「IT/イット "それ"が見えたら、終わり。」を観よう pic.twitter.com/3IEmfM9biK
— Takashi Honda (@hon_takashi) 2018年10月13日
ペニーワイズはなぜ子供しか襲わないのか?
ペニーワイズは子どもに安心させ近づく手段として、ピエロの格好をしました。
彼の好物は「純粋な心」だからです。
それは大人よりも、子供の方が、まだ汚れていなくたくさん持っているから‥‥。
この「純粋な心」は同時に、ペニーワイズにダメージをもたらすことができる唯一の武器でもあります。
もう少し本質を深掘りしていくと、ペニーワイズは本来、子供たちのみが目にすることができ、大人は認識することができない、「思春期の怪物」とも言えるんです。
本編に登場する大人たちはどれも頼りにならない存在として描かれています。
例えば、ジョージーが溺れて死んだと断定するのはよくある事故なのでわかる。
でも、残されたわずかな可能性を大人たちは調べようとしない。
仮に、ジョージーを得体のしれない怪物が食べてしまったかもしれないのに‥‥。
だから、子供たちが自ら率先して、事件の決着をつけなければならなかったわけです。
そしてペニーワイズを倒した後、ルーザーズクラブのメンバーたちは、用水路の地下から脱出するために『チュードの儀式』を行います。
『チュードの儀式』とは、ベバリーが6人のメンバーと1人ずつ順番に性交渉をするといったもので、これこそ真の意味で、子供から大人になったことを示したわけです。
これによって、子供を捕食とするペニーワイズと完全に訣別したことになります。
[aside type="warning"] 『チュードの儀式』は映画では描かれていません。
[/aside]
さすがに映画で、この部分を表現するのは難しいのでカットされましたが、『チュードの儀式』がわかれば、彼らの結束が固い理由がわかり、『IT/チャプター2』を鑑賞するうえでも見方が変わってきます。
なぜ大人になったスタンにペニーワイズは襲いにきたのか?
この部分は『IT/チャプター2』のネタバレとなるので、ご注意ください。
ペニーワイズは、ルーザーズクラブが、初めて歯向かってきた唯一の存在であることから恐れています。
27年周期に現れて恐怖を植え付け、快適なデリー街の暮らしを失いたくないので、可能な限り争いごとは避けたいのです。
そのため、彼らにデリーの街に戻って来ないように色々と企てていたわけですが、牧師となってひとり街に残ったマイクによって、再び集結します。
でも、スタンだけはペニーワイズに危害を加えられたトラウマがあり、自殺をしてしまいます。
それで仕方なく刺客として、ヘンリー・バワーズを送り込むのです。
[aside type="warning"] 映画では、マイクによって井戸に落ちたが、死んだかどうかは曖昧です。 [/aside]
彼らに対して、幻影を見せて脅しますが、あれは復讐というよりもビルたちを恐れているからと捉えることができます。
スティーブン・キングがペニーワイズに込めた意図を考えてみた
ペニーワイズとは、デリーという街の風習と、そこに住む大人たちが隠ぺいして醸成してできた疑心と空想が実体化した恐怖の存在ともいえます。
それは、日常生活の中で、些細なことだといって、不正したことを追求せずに放置し、妥協するといった行為が、社会の秩序を腐らせ、恐ろしいものを育てている根底だと表現しているように見えます。
私の主観ですが、キングはペニーワイズに置き換えて、メッセージを読み取ってほしかったんだろうなと感じました。
ペニーワイズには実在のモデルがいます
ペニーワイズといえば、恐ろしいピエロというイメージが強いですよね。
ピエロが子供を襲うという発想は、実際に起きた猟奇殺人からヒントを得ています。
それは、1972年1月から1978年の間に33人の少年を殺害したジョン・ウェイン・ゲイシーです。
昼はピエロに扮装して子供たち楽しませ、夜になると少年たちを次々と襲う青年実業家。
言葉巧みに少年を自宅に招いて性的暴行を加えて殺害。
殺害の動機は、彼自身の性癖を隠すために行われたとされている。
ゲイシーは、1942年3月17日にイリノイ州シカゴに生まれる。
アルコール依存症の父親の手によって重度の児童虐待を受けました。
父親にとっては、唯一の息子であったことから期待を寄せていたが、ゲイシーが心臓疾患であることがわかると言いがかりをつけて、虐待を繰り返していた。
ゲイシーは父親から認めてもらいたいと言う思いから、仕事に没頭し、後に資産家の名士となってチャリティー活動にも熱心であったことから、彼の犯行は驚きと共に震撼をさせた。
ジョン・ウェイン・ゲイシーTシャツを着てる方がいらしたのであいさつしたら自作とのこと。御本人も温厚そうに笑っていらしたが、よく見たら割と似てた。 pic.twitter.com/TtgyJegtZZ
— じゅーしー (@juicy19780123) 2017年8月18日
まとめ
1990年に制作されたTVドラマ版の ペニーワイズの正体は大きな蜘蛛でした。
この蜘蛛に関しては結構「残念だ」という意見をよく聞きます。
実際に私もドラマを見ましたが、正直、原作のイメージとは程遠くガッカリ感が歪めなかった。
もともとTVドラマということから、多分限られた予算の中で作られたので、ショボいものになったのは、仕方がないと思います。
もちろん、25年以上も前の作品ですから、今のように手軽にすべてCGで描ける時代ではなかったのですが、それでも潤沢な予算で作られていたら、少年時代の描写が秀逸なので凄いものが出来ていたのでは?と思います。
なので、『イット/チャプター2』における期待値はどうしても高くなってしまう。
『IT/“それ”が見えたら、終わり。』におけるペニーワイズのアクション、顔の表情、身体の動きはCGを駆使して、最高の出来栄えだったので、ペニーワイズとの最後の戦いは、充分満足のいく仕上がりになると思うので、公開が待ち遠しいですね。
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— Toshi (@kiki_info) 2018年10月9日