ネタバレ含みますのでご注意ください。
ハリー・ポッターは『賢者の石』を原作で読んでからのファン。なので、映画版が途中で打ち切られずに最後まで、続いたことは感無量。
10年と長期間にわたることから、ライトなファンの人にとっては、いきなりこの『死の秘宝』を観ると世界観がわからずチンプンカンプンだと思う。
特に『死の秘宝』は最終章にあたるので、次々と伏線が回収されることから、疑問となる部分も多いと思いますので、少しでも理解してもらいたいという思いから考察をしましたので、参考にしてみてください。
目次
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ダンブルドアはハリーが本当に死ぬと思っていたのか?
ダンブルドアは、おそらくハリーが死ぬであろうと思っていた。
ヴォルデモートの攻撃から、赤ん坊であったハリーが、生き残ったのは奇跡に近いこと。それゆえに、ハリーは一目置かれた存在となっていたんです。
いくらなんでも、同じような奇跡が2度も起こるとはダンブルドアも予想はしていなかったはず。
奇跡が続いて起きるということは、それはもう奇跡ではなくて、アバダケダブラを跳ね返す呪文が普及して、簡単に殺されなくなるはずです。
また、ニワトコの杖の忠誠心に関しては、ダンブルドアの想定外の出来事ですからね。
分霊箱をすべて破壊したあとに、ハリーも死ぬ。
これによって分霊箱はすべてなくなり、ヴォルデモートを倒すというのがダンブルドアが予想したこと。
しかし、さまざまな偶然が重なってハリーは死ななかった。
それは「死を恐れない勇気を持つ」とされる3つの秘宝をハリーが集めていたからです。
ヴォルデモートが使っていたニワトコの杖が実はハリーが所有者だった。そのことから、スネイプにダンブルドアが語ったことは嘘ではなかった。
ダンブルドアはハリーが助かることをわずかな希望は持っていても、楽観視は決してしていなかったと解釈しました。
ハリーはどうやって生き返ることができたのか?
ハリーが完全に死に至らなかった理由をもう少し掘り下げて解説していきます。
まず、『炎のゴブレット』でヴォルデモートが復活する際に、父親のトム・リドルの骨と下僕のワムテールの右手、そして敵の血を採るということから、ハリーの血を用いました。
ヴォルデモートがハリーの血を用いたのは、リリー・ポッターの愛の魔法が宿っており、その血液を自分の体内に入れれば、効果が無くなると判断したと思われる。
しかし、魔法のかかったハリーの血を取り入れたことによって、ヴォルデモートはハリーの分霊箱になってしまう。
ヴォルデモートが放ったアバダケダブラは強力だった。
だが、ハリーはギリギリの中で白い世界の境界線に留まり、気持ちは揺れ動くが、この世に残る決断をしたことによって現世に戻ることができたのです。
白い世界でダンブルドアとの再開の際に目にした赤ちゃんは、ハリーに入り込んだヴォルデモートです。
ちなみに、白い世界についての解釈は、三途の川に該当します。
わかりやすく言うと、ハリーは生と死の境界線にあたる場所に導かれ、ダンブルドアと再会したということです。
そして、ニワトコの杖の忠誠心がヴォルデモートではなくハリーであったことから、杖がハリーに協力をして、ヴォルデモートを死に追いやったと考えることができます。
【ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2】ハリー・ポッター / ダニエル・ラドクリフ ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属する男子生徒。ただ一人、ヴォルデモードが殺せなかった人物。 pic.twitter.com/pNEA8t129R
— ハリーポッター全集♪ (@haryypotter_) 2018年10月10日
『分霊箱』とはそもそも何なのか?
ホークラックス(分霊箱)とは、自分の魂を引き裂いて、そのかけらを物や生物に魔法をかけて魂を保存されたものです。
分離された魂は、破壊されないかぎり、肉体が滅んでも死ぬことがない。
ヴォルデモートは分霊箱を7つに分割していました。
そして、魂が全て滅ぼされた瞬間死滅したというわけです。
分霊箱の内訳は以下になります。
分霊箱 | 破壊した人物 | どうやって破壊したのか |
リドルの日記 | ハリー | バジリスクの牙 |
ゴーントの指輪 | ダンブルドア | グリフィンドールの剣 |
スリザリンのロケット | ロン | グリフィンドールの剣 |
ハッフルパフのカップ | ハーマイオニー | バジリスクの牙 |
レイブンクローのティアラ | クラップ | 悪霊の火 |
ハリー | ヴォルデモート | アバダ・ケダブラの呪文 |
ナギニ | ネビル | グリフィンドールの剣 |
ハリーは何処で、ニワトコの杖を手に入れたのか?
『謎のプリンス』において、マルフォイがダンブルドアを武装解除したことによって、 ニワトコの杖を手に入れ、杖を2本所有することになります。
そこで、ハリーがニワトコの杖を手に入れたことがわかるシーンが、パート1のクライマックスで、マルフォイの館で対決した時です。
ちょうど、ハリーが力ずくで、マルフォイの手から奪ったシーン。
初見だと見過ごしてしまいますが、わかったうえで、再度鑑賞して観ると伏線であることがわかります。
つまり、ハリーはこの時点で、マルフォイが持っていた杖とニワトコの杖を手に入れたということです。
スネイプとハリーとの関係性を考察しました
スネイプとってのハリーは、自分が生涯愛したリリーの息子であることに過ぎないと思うんですよね。
だから、ハリーをずっとそばで見守っていたのであって、そうでなければ、スネイプはハリーを見捨てていた。
さらにいうと、リリーと出会っていなければ、スネイプは間違いなく永遠にデスイーターであった。
ヴォルデモートがリリーの命を狙ったことからこそ、ダンブルドア側に寝返ったわけです。
どうしても、最後の死に際が美しかったことから、スネイプが善人と捉えてしまいがち。だけど、スネイプはリリーに対する愛情がただ強かっただけに過ぎない。
だから、善人とは思えないです。
それは、学生の頃にマグル差別を行ったり、闇の魔術に傾倒したりしたからです。
また、ホグワーツの先生になってからも、スリザリン以外の生徒を差別したりといった行為はどうみても善人とは思えないですね。
誤解のないように私はスネイプは嫌いではありません。
スネイプの立場になってみると、とても切ない気持ちになりました。
多分スネイプにとって、一番幸せだった時期は、リリーと一緒に過ごした時期。
その愛しいリリーを最も憎いジェームズに奪われてしまい、しかもリリーはヴォルデモートによって死んでしまった。
そんなスナイプの最後は、ヴォルデモートによって殺されてしまう。
彼の人生を振り返ると、なんていうか、すごく悲しくなってしまう。
でも、ハリーにとっては命の恩人です。
その証拠に、ハリーは自分の息子にセブルスという名前を入れていることからもわかります。
まとめ
『賢者の石』のような童話のような世界観から一転、この『死の秘宝』においては、作風がダークファンタジーへと変わっていったハリーポッターシリーズ。
重く閉塞感が漂う雰囲気のまま終わったパート1。
パート2はそのイライラ感を一気に吹き飛ばすように畳みかけるストーリー展開に興奮した。
シリーズを通しての謎が解明され、最大の敵を倒し、無事ハッピーエンドで満足。
そこで気になるのが、ダンブルドアは最初からすでに結末を知っていたということ。
その事実をハリーは、どう受け止めたていたのか。
これを理解したうえで、ダンブルドアとハリーの関係を『賢者の石』からたどって観ていくと、様々な言動や思いが一直線となって繋がります。
久々に第1作目から続けざまに観て感動しました。
10年間と長い年月を掛けて一つの作品を完結させた、類を見ない大傑作だと思う。